【修善寺】修善寺紙谷和紙工房 

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目次

修善寺で唯一無二の紙漉きに挑戦しよう

修善寺の豊かな自然に囲まれた静かな紙谷地区に、千年以上の歴史を誇る「修善寺紙」の伝統を受け継ぐ貴重な工房があります。修善寺紙紙谷和紙工房は、一度は途絶えかけた伝統技術を現代に蘇らせ、次世代へと継承する文化的な役割を果たしています。

修善寺紙の歴史は古く、文献に初めて登場するのは室町時代ですが、実際の起源はそれ以前にまで遡ると考えられています。平安時代の『紫式部日記』や『平家物語』にもその名が記され、源頼朝が関東武士への決起文に使用したとも伝えられている由緒ある和紙です。江戸時代には「色よし紙」と呼ばれ、徳川家康によって幕府の御用紙に指定されるほど高い品質を誇りました。

この伝統和紙の特徴は、三椏(みつまた)を主原料とした薄紅色の美しい色合いと、横縞の透かし模様「すだれ目」にあります。他の産地の和紙が楮(こうぞ)を主材料とすることが多いのに対し、修善寺紙は三椏を中心に使用することで、独特の風合いと強靭さを実現しています。原料には三椏のほか、楮、雁皮(がんぴ)、そして繊維を均一にするための「ねり」としてトロロアオイが使われ、修善寺川の清流と良質な井戸水が紙づくりに欠かせない要素となっています。

明治から大正時代にかけて西洋の製紙技術の導入により一時途絶えた修善寺紙は、1985年に地元有志による「修善寺紙を再現する会」の設立をきっかけに復活への道を歩み始めました。そして2021年、地域おこし協力隊として大阪から移住した舛田拓人氏が工房に入り、本格的な復興と継承活動が始まりました。

現在の工房では、伝統的な手漉き技法による和紙製作と販売のほか、観光客向けの紙漉き体験や工房見学を実施しています。体験では実際に簀桁(すけた)という専用の道具を使って和紙を漉く工程を学ぶことができ、完成した和紙は約1週間の乾燥期間を経て郵送で届けられます。工房見学は事前連絡により随時受け入れており、和紙の歴史や製法について詳しい説明を聞くことができます。

特に冬の「寒漉き」の時期(10月から3月頃)は、冷たい水を使うことで材料に粘りが出やすく、最高品質の和紙が生まれる季節です。山の湧き水を使った紙漉きの音が静寂な工房に響く光景は、訪れる人々に深い感動を与えています。

地域との結びつきも深く、修善寺小学校の卒業生は毎年この工房で自分たちの卒業証書用の和紙を手漉きする伝統があります。これにより子どもたちは地域の文化に触れ、郷土愛を育む貴重な機会を得ています。

工房では現在、四国から原材料を調達していますが、将来的には100%修善寺産の原材料による和紙製作を目指し、楮と三椏の栽培にも取り組んでいます。修善寺温泉という観光地に近い立地を活かし、国内外の観光客に修善寺紙の魅力を伝える文化発信基地としての役割も果たしています。

修善寺紙紙谷和紙工房は、単なる観光スポットではなく、千年の歴史を現代に伝える生きた文化遺産です。伝統技術の保存と継承、そして新たな価値創造に取り組む工房での体験は、日本の手仕事の奥深さと美しさを実感できる貴重な機会となるでしょう。

基本情報

料金
和紙漉き体験:5,000円
住所
静岡県伊豆市修善寺1302-4
電話番号
050-3699-4284
営業時間
9:00〜17:00
定休日
不定休
交通アクセス
:修善寺ICから約6分
電車:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からタクシーで約10分
駐車場
あり(無料)
公式サイト
修善寺紙紙谷和紙工房
※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。

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