【修善寺】旭滝

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自然の輝き、旭滝で心のリフレッシュを!

修善寺温泉から車でわずか5分、国道136号線から400メートルほど入った静寂な谷間に、伊豆屈指の名瀑「旭滝」があります。落差105メートルを6段に分かれて流れ落ちるこの滝は、真東を向いているため朝日を正面から受けて美しく輝くことからその名が付けられました。単なる観光スポットを超えて、地質学的価値と文化的意義を兼ね備えた、修善寺エリアでも特に印象深いスポットです。

旭滝最大の特徴は、滝面に現れる見事な柱状節理です。まるで人工的に積み上げた石垣のような六角形の断面が規則正しく並ぶ光景は、実は約100万年前から50万年前にかけての火山活動によって形成された自然の芸術作品です。この滝は海底火山の「火山の根」と呼ばれる部分で、地下深くで冷え固まったマグマが長い年月をかけて侵食により露出したものです。マグマが急激に冷却される過程で収縮し、六角形の柱状構造が形成されました。

伊豆半島ジオパークの重要なジオサイトに指定されている旭滝では、この柱状節理を間近で観察することができます。特に滝の横から見ると、突き出した柱状節理の断面構造がよく分かり、地球の造山活動の壮大さを実感できます。浄蓮の滝が垂直な柱状節理で有名なのに対し、旭滝は柱状節理の断面を水が滑るように流れる珍しい形態で、伊豆半島の多様な地質構造を物語る貴重な存在です。

旭滝の水源は、西に位置する達磨山の湧水です。達磨山は直径4キロメートルに及ぶカルデラを持つ火山で、そこから湧き出る清らかな水が旭滝を形成しています。湧水由来のため水量は豊富ではありませんが、一年を通じて安定した流れを保ち、特に朝の時間帯には太陽光を受けて水面がきらめく美しい光景を見ることができます。

旭滝のもう一つの重要な価値は、日本の伝統音楽における文化的意義です。江戸時代まで滝の下には瀧源寺という普化宗(虚無僧の宗派)の寺院があり、編み笠をかぶった虚無僧たちが修行に励んでいました。尺八の古典本曲として名高い「瀧落之曲(たきおちのきょく)」は、この旭滝の6段に分かれて流れ落ちる水音に触発されて作曲されたと伝えられています。現在も滝の近くには「虚無僧史跡 功徳山 瀧源寺跡 瀧落之曲 発祥地」と刻まれた石碑が建ち、この地の音楽史における重要性を物語っています。

瀧源寺は明治時代の廃仏毀釈により廃寺となりましたが、現在も散策路沿いには歴代住職の墓標である卵塔が残されており、当時の面影を偲ぶことができます。また、瀧源寺の本尊は近くの金龍院に移されており、旭滝とあわせて訪れることで、この地の歴史をより深く理解することができます。

旭滝の魅力は季節によって異なる表情を見せることです。新緑の季節には周囲の木々が鮮やかな緑に染まり、夏には涼しい谷間で暑さを忘れる憩いの場となります。特に美しいのは12月上旬から中旬にかけての紅葉シーズンで、周辺のカエデが赤く色づき、柱状節理の灰色の岩肌との対比が見事な景観を作り出します。この時期の旭滝は修善寺エリアでも屈指の紅葉スポットとして知られており、夜間にはフルカラーライトアップも実施され、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。

アクセスの良さも旭滝の大きな魅力です。駐車場から滝まではわずか徒歩1分という手軽さで、年齢を問わず気軽に訪れることができます。遊歩道は整備されており、滝つぼの近くまで安全に接近可能です。また、滝の上部へと続く階段も設置されており、異なる角度から柱状節理と滝の流れを観察することができます。

修善寺駅からバスで10分、旭滝口バス停から徒歩4分という公共交通機関でのアクセスも良好で、修善寺温泉観光と組み合わせて訪れやすいロケーションにあります。特に修善寺温泉での宿泊前後や、虹の郷などの他の観光スポットと併せて楽しむことで、より充実した修善寺滞在が可能になります。

旭滝は、地球の歴史が刻まれた地質学的な価値、日本の伝統音楽との深いつながり、そして四季折々の自然美が調和した、他では体験できない特別なスポットです。朝日に照らされて輝く滝の姿は、きっと訪れる人の心に深い印象を残すことでしょう。

基本情報

料金
無料
住所
静岡県伊豆市大平1455付近
電話番号
0558-72-2501(伊豆市観光協会)
営業時間
24時間
定休日
年中無休
交通アクセス
電車:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」より東海バス「旭滝口」下車、徒歩約4分
駐車場
あり(無料)
公式サイト
伊豆市観光情報サイト
※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。

マップ

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