修善寺から土肥へ向かう道にある”あの世”観光の珍スポット
修善寺から西伊豆・土肥方面へ向かう国道136号線沿いに、突如現れるピースサインをした巨大な赤鬼のオブジェ。その正体は、全国でも珍しい「あの世」をテーマにした観光施設「伊豆極楽苑」です。1986年から営業を続けるこのユニークなテーマパークは、平安時代の僧・源信が著した仏教書『往生要集』を基に、死後の世界である地獄と極楽を約300体の人形を使ったジオラマで再現しています。お化け屋敷とは一線を画した教育的な施設として、情操教育や人生の教訓を学ぶ場所として、また話のネタとして多くの人々に親しまれている、伊豆の隠れた名所です。
施設の歴史は40年近くに及び、館長の青鬼丸さんが気分によって色を変えるという入口の大きな鬼のオブジェは、これまで赤、黄色、水色、オレンジなど様々な色に変化してきました。この印象的な鬼は伊豆方面を訪れたことがある人なら一度は目にしたことがあるほど有名で、施設の象徴的存在となっています。入口には小さな鬼のオブジェや顔はめパネル、恋みくじなども設置されており、少しカオスな雰囲気が漂いますが、これまでに数々のテレビ番組やタレントが訪れた隠れた人気スポットとなっています。
館内に入ると、まず笑顔の閻魔様が出迎えてくれ、館長さんや奥様も温かい笑顔で迎えてくれます。玄関ロビーには施設を訪れた著名人のサインなどが飾られており、これを見ているだけでも楽しめます。展示は寛和元年(西暦985年)に源信という僧が書いた『往生要集』という仏教書を元にしており、三途の川、閻魔王、八大地獄や六道の世界など、よく知られた死後の世界が精巧なジオラマで再現されています。来館者は通常の死者の魂と同じように、「死出の山」「三途の川」「49日の審査」「六道」のコースを巡る冥途の旅を体験することができます。
『往生要集』は日本の浄土教の基礎を築いた重要な仏教書で、現代の日本人が持つ地獄と極楽のイメージの多くがこの書物に基づいています。源信は膨大な仏教経典から重要な部分を集成し、特に地獄の恐ろしさを具体的に描写することで、人々に極楽往生の大切さを説きました。伊豆極楽苑では、このような仏教的背景を持つ死後の世界を、現代の人々にも分かりやすくジオラマで表現しており、単なる娯楽施設を超えた文化的・教育的価値を持っています。子供のしつけや道徳教育にも一役買っているという側面もあります。
展示内容は地獄と極楽の両方を含んでおり、地獄では八大地獄や様々な責め苦の様子が生々しく再現されています。一方、極楽では阿弥陀如来のいる美しい浄土の世界が表現されており、地獄の恐ろしさと対比して極楽の素晴らしさを体感できるようになっています。大小約300体の人形を使ったジオラマは非常に精巧で、見る者に強い印象を与えます。ただし、地獄の描写は結構グロテスクな部分もあるため、小さな子供が見ると怖がる可能性があり、地獄に心当たりのある方も怖いと感じるかもしれません。
18歳以上の方には秘宝展もあり、伊豆で発生したとされる真言立川流の愛の48手や、世界各地の秘宝を展示しています。これは大人向けの展示として別料金となっており、地獄極楽めぐりと合わせたセット券も用意されています。営業時間は10時から16時まで、定休日は水曜日と木曜日(祝日の場合は開館)となっており、定休日以外にも臨時休業する場合があるため、事前に公式サイトやSNSで確認することをおすすめします。
料金は地獄極楽めぐりのみが大人800円、中高生500円、小学生400円、小学生未満無料となっており、18歳以上の方は秘宝展とのセット券が1,000円で利用できます。決済は現金のみとなっているため、事前に準備しておく必要があります。アクセスは修善寺駅から東海バス松崎行きで約20分、「宝蔵院前」バス停下車すぐという便利な立地にあります。車でお越しの場合は、国道136号線沿いにあるため分かりやすく、大きな鬼のオブジェが目印となります。
伊豆極楽苑は、単なる珍スポットとして楽しむだけでなく、日本の仏教文化や死生観について学ぶことができる貴重な施設です。現代社会では軽視されがちな死後の世界や道徳について考える機会を提供しており、来世をより良くするための教訓を得ることができます。また、霊感のある方には何か見える可能性もあるという神秘的な要素もあり、様々な角度から楽しめる施設となっています。修善寺観光の際には、少し足を延ばして日本文化の深層部に触れてみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない体験となることでしょう。
基本情報
料金 |
大人(中学生以上):1,500円 子供(小学生以下):1,000円 |
住所 |
静岡県伊豆市極楽園1000 |
電話番号 |
0558-99-1234 |
営業時間 |
10:00~17:00 |
定休日 |
毎週水曜日 |
交通アクセス |
電車:伊豆急行線「修善寺駅」から徒歩約15分 車:東名高速道路「沼津IC」から約60分 |
駐車場 |
あり。無料あり |
公式サイト |
伊豆極楽苑 |
マップ
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