【修善寺】伊豆十三夜

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修善寺温泉の隠れた名店

修善寺温泉街の中心部に位置する「伊豆十三夜」は、国の登録有形文化財に指定された「甘泉楼(かんせんろう)」の一階部分を改築した商業施設内にある郷土銘菓の専門店です。新井旅館の歴史ある建築美と伊豆の和菓子文化が融合した、修善寺温泉を代表する老舗菓子店として、地元の人々と観光客に愛され続けています。

店内では、修善寺温泉の風情豊かな環境に育まれた伝統的な和菓子から、新感覚のスイーツまで幅広く取り揃えており、特に店頭で焼き上げる「十三夜焼き」は多くの人々を魅了する看板商品となっています。平安時代に弘法大師によって開湯されたという修善寺温泉の歴史と文化を背景に、満ちゆく月「十三夜」のように、訪れる人の心を温かく満たしてくれるお菓子作りを心がけています。

甘泉楼は明治初期から続く新井旅館の一部として、修善寺温泉の発展とともに歩んできた歴史建造物です。その格調高い外観と内装は、伊豆の小京都と呼ばれる修善寺の風情を象徴的に表現しており、お菓子を味わいながら歴史の重みと美しさを同時に感じることができる希少な空間となっています。建物自体が文化財としての価値を持つため、訪問すること自体が文化的な体験となり、修善寺観光の重要な要素の一つとなっています。

「十三夜焼き」は、伊豆十三夜を代表する名物スイーツで、店頭で職人が一つひとつ丁寧に焼き上げる大判焼きです。生地には地元の素材を使用し、じわじわとじっくりと焼き上げることで、外はこんがり、中はふんわりとした絶妙な食感を実現しています。あんこの種類も豊富で、伊豆の藻塩を使用して餡の味を引き締めた定番の小豆餡をはじめ、クリームチーズと餡が絶妙にからむ洋風タイプ、甘酸っぱいリンゴジャムとカスタードクリームの組み合わせ、小倉餡と抹茶クリームを調和させた和のスイーツまで、季節や好みに応じて選べる多彩なバリエーションを用意しています。

店内では十三夜焼き以外にも、修善寺の風土に根ざした様々な和菓子を取り扱っています。地元で愛され続ける草餅は、もちもちとした食感と自然な甘さが特徴で、お土産としても人気の高い商品です。また、伊豆の特産品を使用した季節限定の和菓子も定期的に登場し、何度訪れても新しい発見がある魅力的な品揃えとなっています。これらの和菓子は、伊豆の豊かな自然環境で育まれた素材の良さを最大限に活かし、伝統的な製法と現代の感性を組み合わせて作られています。

伊豆十三夜の立地は、修善寺観光の中心地として非常に恵まれた場所にあります。修善寺駅からバスで約7分、修善寺温泉バス停からは徒歩約4分という好アクセスで、独鈷の湯、修禅寺、竹林の小径といった主要観光スポットからも徒歩圏内にあります。温泉街散策の際の休憩スポットとしても最適で、文化財建築の美しい雰囲気の中でお茶とお菓子を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

営業時間は一般的に朝から夕方まで(17:00頃まで)で、温泉街の散策と合わせて気軽に立ち寄れる時間設定となっています。ただし、季節や天候により営業時間や販売商品が変更になる場合があるため、訪問前に確認することをおすすめします。店内にはゆっくりと休憩できるスペースも設けられており、購入したお菓子をその場で味わうことも可能です。

修善寺温泉の歴史と文化を体現する伊豆十三夜は、単なるお菓子店を超えた文化的な価値を持つ施設として、修善寺観光には欠かせない存在となっています。弘法大師の開湯伝説から始まる修善寺の物語と、満ちゆく月「十三夜」に込められた温かな想いが、訪れる人々の心に深い印象を残し、修善寺の記憶を甘い味わいとともに持ち帰ることができる特別な場所です。

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