【修善寺】狩野庄紅谷

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伝統の温泉まんじゅうと黒米大福

修善寺温泉街の入口に位置する「狩野庄紅谷(かのしょうべにや)」は、昭和34年(1959年)の創業以来、65年以上にわたって手作りの温泉まんじゅうを提供し続けている老舗和菓子店です。総合会館前バス停のすぐ目の前にある「温泉まんじゅう」の看板が目印のこの店舗は、修善寺を訪れる多くの観光客にとって、温泉街散策の始まりを告げる特別な場所として親しまれています。清潔感のある店内には昔ながらのまんじゅうが美しく並び、職人の技と心意気を感じさせる温かな雰囲気に包まれています。

狩野庄紅谷の看板商品である「温泉まんじゅう」は、先代から受け継がれたレシピを忠実に守り続けている伝統の逸品です。最大の特徴は、生地に醤油を隠し味として使用している点で、この独特の工夫により香りよく仕上がった皮は、他では味わえない深みのある風味を生み出しています。饅頭の表面には「修善寺」の文字と温泉マークが美しく刻印されており、修善寺温泉のお土産としての特別感を演出しています。小ぶりなサイズで作られているため、何個でも食べられそうな上品な仕上がりとなっています。

温泉まんじゅうの製造には、まさに熟練の技が光ります。夏場は生地の水加減を少なめに、冬は多めにと、気温を見ながら微妙な調整を行い、常に最適な状態に仕上げる職人技は、長年の経験に裏打ちされたものです。北海道十勝産の厳選されたあずきを使用した餡は、塩味と甘さのバランスが絶妙で、ほんのり塩味がきいた餡子は甘さを引き立て、上品で飽きのこない味わいを実現しています。この温泉まんじゅうは地元旅館などにも卸されており、宿泊客が部屋に着いて初めて食べる「お着き菓子」として提供されることも多く、その品質の高さが伺えます。

もう一つの人気商品である「黒米大福」は、修善寺の特産品である黒米を使用した現代的な和菓子として注目を集めています。手のひらサイズの大福は、黒米の粒々が見える特徴的な外観で、食べると黒米の香りがしっかりと感じられます。薄いお餅の中には粒あんが入っており、甘すぎない餡子がほどよくしっとりとして、非常に食べやすい仕上がりとなっています。黒米特有の風味と栄養価の高さから、健康志向の方にも人気の商品です。

さらに注目すべきは、町おこしのために開発された「いずっちまんじゅう」です。修善寺の名産である黒米を皮に練り込んだこの商品は、茶色の粒々が入った独特の見た目が特徴で、1個108円(税込)というリーズナブルな価格も魅力の一つです。伊豆市のマスコットキャラクター「いずっち」の名前を冠したこの商品は、地域愛に満ちた特別な一品として、多くの方に愛されています。

狩野庄紅谷では、季節限定の和菓子も楽しむことができます。今ではすっかり希少価値が高くなった北海道産の大緑(青えんどう豆)で作る「うぐいすまんじゅう」は、伝統的な製法を守り続けている貴重な商品です。秋には栗羊羹、春には桜餅など、季節の移ろいを和菓子で表現した商品も登場し、何度訪れても新しい発見がある店舗として親しまれています。

店舗では、すべての和菓子に厳選された国産の北海道十勝産小豆を使用しており、保存料などの添加物を一切使用していません。昔ながらの菓子職人が真心を込めて丁寧に作り上げた和菓子は、召し上がる方の健康に配慮し、子供からお年寄りまで安心して楽しめる品質を保っています。この妥協のない姿勢が、65年以上にわたって地元の方々に愛され続けている理由の一つです。

営業時間は9:00から18:00まで、定休日は火曜日(月1回水曜休業あり、繁忙期は不定休)となっています。アクセスは、修善寺駅から伊豆箱根バス・東海バス「修善寺温泉」行きで7分、総合会館前バス停下車すぐという便利な立地です。温泉街の入口という絶好のロケーションにあるため、修善寺温泉散策の最初や最後に立ち寄ることができます。

贈答用の対応も充実しており、温泉まんじゅうは10個入り930円、15個入り1,380円(価格は変動する場合があります)で、美しい包装でお土産や贈り物として最適です。地方発送も承っているため、修善寺の味を遠方の方にお届けすることも可能です。

狩野庄紅谷は、修善寺温泉の中心部から少し外れた場所にあるため、観光客には少し縁遠い存在かもしれませんが、その分、地元の方々に愛され続ける隠れた名店として、本物の味を守り続けています。宿泊客が気に入って帰りにお土産として購入していくことも多く、一度味わった方の心に深く刻まれる特別な和菓子店として、修善寺の食文化を支えています。

修善寺温泉を訪れた際には、ぜひ狩野庄紅谷に足を運んで、65年以上受け継がれてきた伝統の味をご堪能ください。職人の技と心が込められた温泉まんじゅうと黒米大福は、きっと修善寺での思い出をより豊かなものにしてくれることでしょう。

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