修善寺温泉街の風情ある甘味処
修善寺温泉の中心部、千二百年の歴史を刻む名刹「修禅寺」の門前に佇む甘味処「一石庵(いっせきあん)」は、2000年にオープンした歴史ある茶店です。赤い欄干の虎渓橋を渡ってすぐの場所に位置し、桂川を挟んで修禅寺を望む絶好のロケーションが自慢の老舗甘味処として、多くの観光客や地元の方に愛され続けています。
店舗がオープンした背景には、修禅寺参拝の際に気軽に休憩できる場所がなかったことから始まっています。伊豆の小京都とも称される修善寺温泉街の散策で疲れた足を休め、心も癒される空間を提供したいという思いから誕生しました。現在では修善寺観光に欠かせないスポットとして定着し、参拝前後の休憩地として多くの人々に利用されています。
店内は開放感あふれるバリアフリー設計となっており、車椅子の方でも安心してご利用いただけます。ゆったりとした和の雰囲気が漂う店内は、木のテーブルにさりげなく飾られた季節の花が印象的で、訪れる人の心を和ませてくれます。窓際の席からは桂川の清流と修善寺の美しい町並みを一望でき、四季折々の景観を楽しみながら甘味を味わうことができます。
一石庵の大きな魅力の一つは、店内や屋外の茶席から眺められる自然豊かな景色です。野鳥が多く生息するエリアでもあり、バードウォッチングを楽しむお客様のために双眼鏡も用意されています。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪化粧と、季節ごとに異なる表情を見せる修善寺の自然を間近で感じることができる貴重な場所となっています。
メニューの中でも特に人気が高いのは、地場産品の黒米を使用した「黒米餅」です。この黒米餅は、地元で収穫された黒米を蒸してついた手作りの逸品で、プチプチとした独特の食感と、黒米本来の風味をしっかりと味わうことができます。醤油をつけてシンプルにいただくスタイルで、素材の美味しさを存分に楽しめる一石庵の名物メニューとなっています。
甘味メニューも充実しており、ほどよい甘さの「クリームあんみつ」や「みつ豆」、「白玉あずき」などの定番商品に加え、季節限定メニューも用意されています。冬にはさっぱりとした味わいのお汁粉やぜんざい、夏には涼を呼ぶかき氷やクリームソーダなど、季節に応じた甘味を楽しむことができます。すべての甘味は無添加の食材にこだわって作られており、体に優しい味わいが特徴です。
抹茶セットも人気メニューの一つで、本格的な抹茶に季節の生菓子が付いて700円とリーズナブルな価格設定となっています。生菓子は鶴や亀、藤棚など縁起の良い名前が付けられたものや、季節を表現した美しいデザインのものが提供され、目でも楽しめる演出が施されています。天気の良い日には屋外の縁台で抹茶を味わうこともでき、桂川のせせらぎを聞きながらの一服は格別です。
修善寺温泉ならではのユニークなメニューとして「修善寺サイダーわさび添え」も注目されています。これは修善寺サイダーにすりたてのわさびを加えて楽しむ珍しいドリンクで、サイダーの甘さにわさびのピリッとした風味がアクセントとなった、他では味わえない一品です。伊豆の特産品であるわさびを使った創作メニューとして、多くの観光客に驚きと感動を与えています。
店舗の外には手湯や足湯が併設されており、修善寺温泉のお湯を無料で楽しむことができます。甘味を味わった後に温泉に浸かり、修善寺の湯の恵みを直接体感できるのも一石庵ならではの特別なサービスです。ただし、天候や季節によって利用できない場合もあるため、事前の確認をおすすめします。
営業時間は10:00〜16:00、定休日は火曜日となっています。支払いは現金の他、PayPayなどのキャッシュレス決済にも対応しており、観光客にとって利便性の高い店舗運営を心がけています。テーブル席は5卓程度と決して広くはありませんが、一人一品の注文をお願いしているため、ゆったりとした時間を過ごすことができます。
一石庵は修善寺温泉散策の休憩地として最適であり、参拝や観光で歩き疲れた体を癒してくれる貴重な存在です。無添加の食材へのこだわりと、修善寺の自然を眼前に望める最高のロケーション、そして心温まるおもてなしが合わさって、訪れる人々に特別なひとときを提供し続けています。修善寺を訪れた際には、ぜひ立ち寄っていただきたい、歴史と風情に満ちた甘味処です。
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