【修善寺】筥湯

スポンサーリンク
目次

修善寺温泉唯一の外湯で味わう檜造りの湯船と風情ある温泉文化

筥湯(はこゆ)は、修善寺温泉の中心地に位置する修善寺温泉唯一の外湯として、2000年2月12日に復活した歴史ある共同浴場です。かつて修善寺温泉には桂川の河原沿いに7つの外湯があり、それぞれが浴客で賑わっていましたが、昭和20年代には史跡的存在の「独鈷の湯」のみとなっていました。そこで再び修善寺温泉で外湯めぐりを楽しんでもらおうという願いを込めて建設されたのが、この筥湯です。

筥湯の名前は古くから使われており、その昔、鎌倉幕府二代将軍源頼家が入浴していたという伝説の温泉として知られています。修禅寺に残されている絵地図にも、中湯の所に「此頼家公御入湯之地也」の文字が添えられており、1204年に修善寺に幽閉されていた源頼家が温泉入浴中に北条氏の刺客に襲撃されたという歴史的な舞台でもあります。お湯を入れる浴槽に箱型の木槽を使ったことから「はこゆ」と呼ばれるようになったとされています。

現在の筥湯は、温泉街の中心に立つ木造平屋建ての瀟洒な浴舎で、浴場は男女別の総檜造りとなっています。内風呂のみの極めてシンプルな構造ですが、檜造りの浴槽からは溢れる温泉と檜の香りがいっぱいに漂い、木のぬくもりに包まれながら五感で癒される湯治感覚の湯浴みを楽しむことができます。晴れた日には天窓から光のシャワーがキラキラと降り注ぎ、温泉情緒を存分に味わうことができます。

筥湯の最大の特徴の一つが、隣接する高さ12mの仰空楼(ぎょうくうろう)です。この望楼は、修善寺で闘病生活を送った文豪・夏目漱石が病床に伏せることとなった際に、窓越しに秋の空を仰ぎ見て詠んだ漢詩『仰臥人如唖 黙然看大空 大空雲不動 終日杳相同』にちなんで名付けられました。仰空楼は無料で登ることができ、修善寺の温泉街が一望できる展望台として、入浴後の楽しみを提供しています。

外湯の歴史を意識して、筥湯では石けんやシャンプーなどのアメニティグッズは基本的に用意されておらず(ボディーソープ・シャンプー・コンディショナーは用意されています)、昔ながらの公衆浴場の方式で営業されています。タオルは200円で購入でき、修善寺温泉オリジナルの入浴剤も販売されています。このシンプルで素朴なスタイルが、かえって温泉本来の魅力を引き立てています。

入浴料金は大人(中学生以上)700円、子供(小学生)400円で、修善寺温泉旅館組合加盟旅館の宿泊者は350円、伊豆市民・伊豆市内勤務者も350円という設定になっています。営業時間は12:00〜21:00(最終受付20:30)で、定休日は不定休となっています。券売機で入浴券を購入し、番台で渡すシステムです。

泉質は修善寺温泉のアルカリ性単純温泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進などの効能があります。無色透明のお湯は非常に心地よく、檜の香りとともに心身をリラックスさせてくれます。

筥湯は修善寺温泉街の浴衣・着物散策の拠点としても重要な役割を果たしています。修善寺温泉街では浴衣・着物をレンタルして散策するのがおすすめで、夜間の浴衣の返却場所として筥湯が利用されています。浴衣での散策後の入浴は、より一層風情を感じることができる特別な体験となります。

アクセスは、伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅から修善寺温泉行きバスで約8分、終点「修善寺温泉」下車徒歩3分という便利な立地です。お車の場合は東名沼津ICから国道1号線、国道136号線経由で約25kmとなります。筥湯には専用駐車場がないため、近隣の有料駐車場を利用する必要がありますが、小山駐車場を利用した場合は筥湯にて300円(3時間分)のサービス券を発行してもらえます。

筥湯周辺は修善寺温泉の観光の中心地で、独鈷の湯、修禅寺、竹林の小径、河原湯(足湯)などの名所が徒歩圏内にあります。特に独鈷の湯は修善寺温泉発祥の地として知られ、弘法大師が独鈷杵で岩盤を打って温泉を湧き出させたという伝説が残る神聖な場所です。現在は入浴はできませんが、歴史を感じることができる重要なスポットとなっています。

洗い場の数は限られており、混雑時には時間差での利用が必要ですが、それも昔ながらの共同浴場の雰囲気を楽しむ一部として受け入れられています。地元の常連客と観光客が自然に交流する場としても機能しており、修善寺の温かい人情を感じることができます。

現在では日帰り温泉施設として多くの人に愛され、修善寺観光には欠かせないスポットとなっています。350円という手頃な価格で本格的な温泉を楽しめることから、地元の方にも観光客にも親しまれており、修善寺温泉の活性化に大きく貢献しています。

伊豆最古の温泉場として栄えてきた修善寺温泉で、源頼家も愛したという伝説の湯を現代に蘇らせた筥湯。檜造りの浴槽に満たされた良質な温泉と、仰空楼からの眺望、そして修善寺温泉街散策の拠点として、歴史と現代が調和した特別な温泉体験を提供しています。修善寺を訪れた際には、ぜひこの風情ある外湯で温泉文化の原点を感じ、日常の疲れを癒やしてください。きっと心に残る特別な思い出となることでしょう。

日帰り入浴も可能です

「宙 SORA 渡月荘金龍」では、宿泊のお客様だけでなく、日帰りで温泉を楽しみたい方にも開放されています。修善寺観光の合間や、気軽に温泉を楽しみたい方におすすめです。自然に囲まれた露天風呂で、心身ともにリフレッシュできるひとときをお過ごしください。

日帰り入浴ご案内

料金
大人(中学生以上):700円
子供:400円
伊豆市民・伊豆市内勤務者:350円(証明書提示)
修善寺温泉旅館組合加盟旅館宿泊者:350円(宿にて割引入浴券購入可)
利用時間
12:00~21:00(最終受付20:30)
アメニティ
石鹸・シャンプー・リンス(有料)、ドライヤー(無料)
定休日
不定休(事前にお問い合わせください)
交通アクセス
公共交通:伊豆箱根鉄道 修善寺駅よりバスで約8分、「修善寺温泉」下車、徒歩約3分
車:修善寺道路 修善寺ICから約10分
駐車場
なし(最寄りの有料駐車場をご利用ください)
※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。

マップ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次